国立大学法人 名古屋工業大学

バイオセラミックス研究所

事業内容

研究目的及び到達目標

医療用バイオセラミックスの開発研究を基盤として、とくに英国との国際研究ネットワークを強化することを目的としています。ITP プログラムにて連携実績のある Imperial College London (ICL) に加え、さらにUniversity College London (UCL) および The University of Manchester (UoM) と連携することで、セラミックス工学、生体高分子学、細胞生物学、機械工学、構造科学に関する知識と技術を結集させた新しい国際研究ネットワークを構築します。

本事業を通じて各研究グループの若手研究者を相互に派遣・招聘し、技術および知能を統合させることで、世界に先駆けた “細胞を操作するバイオセラミックス” の合成開発を実現します。このような機能性バイオセラミックスの開発は、本来の生体組織により近い人工組織を形成することを可能とし、新しい再生医療を拓く材料として大きなブレークスルーとなります。

研究計画・方法

以下のような研究項目を掲げるとともに、各研究グループが有機的に連携して研究を遂行することで、日本学術振興会若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP)での共同研究を経て開発した「ポリマー・セラミックスハイブリッド多孔体」を発展させ、さらに「生体分子」をもハイブリッド化した新規機能性再生医療用材料の設計をめざします。

名古屋工業大学グループが得意とするセラミックス合成、生体分子の合成・評価、および細胞と力学作用の相関に関する知見と、UCL グループの生物学的解析に関する知見、UoM グループの高輝度 X 線 CT を駆使した構造解析、そして ICL が得意とするハイブリッド科学を統合することで、骨再生医療用材料の分野の世界トップを走る国際共同研究を推進します。

人的交流を通じた国際研究ネットワークの構築・強化

本来の生体に近い 骨組織を形成する材料の最先端研究

本学と海外研究グループとの協力関係の強化

世界最先端のバイオセラミックス研究を主導、さらに新分野としてネットワーク拡大

これまでの研究活動

名古屋工業大学 国際的に高水準のバイオ関連材料研究

無機イオン徐放セラミックス多孔質化・綿状化技術(春日、小幡)

細胞増殖等を促進するセラミックスの合成
世界初の綿玉状人工骨(FDA認可2014.10)

Acta Biomater. (2014), PLoS ONE (2014)
J. Biomed. Mater. Res. (2013), Soft Matter (2012)

細胞と力学作用の相関解析(松本)

機械的ストレスの細胞機能発現に及ぼす影響

J. Biomech. (2012, 2013, 2014)
Nature Comm. (2013)

細胞操作に寄与する蛋白質工学(水野)

生理機能を有する分子の変性・漏えいの制御技術

RSC Adv. (2014)
Langmuir (2013, 4 papers)

海外研究グループ 世界トップレベルの生体ガラス研究

有機無機ハイブリッド化の科学(Julian R Jones)

Bioglass®研究を継承する世界トップグループ
ケイ酸カルシウムガラス、ハイブリッド生体材料

Acta Biomater. (2013), Adv. Healthc. Mater. (2013)
J. Mater. Chem. (2013), Biomaterials (2011)

生体環境での機能性評価(Gavin Jell)

細胞へのガラスナノ粒子・微量元素効果
英・生命科学若手研究者Top6 (2009)

Nature Biotechnol. (2014) , J. Tissue Eng.
(2014) Chem. Comm. (2011), Blood (2011)

機能発現のためのマクロ構造設計(Gowsihan Poologasundarampillai)

構造的・物理化学的な材料解析
世界最先端のX線断層撮影システム・技術

Acta Biomater. (2014), J. Mater. Chem. (2013)
Soft Matter (2012)